Concept
繊維問屋や商社、証券会社、銀行が集中する大阪市の中心地にある生地卸業を営む会社ビルのエントランスをリニューアルする計画である。クライアントからは60年以上ある老舗の歴史を引き継ぐこと、そして昨今の新規ブランド立ち上げにより新たなイメージを打ち出していくこと、この相反する2つの御要望への回答が求められた。
そこで私たちは「レトロ(古)モダン(新)」という言葉をかかげ、職員の方々、出入り業者の方々が慣れ親しんだ平面計画と、既存壁面の大理石を一部残し、「木」を多用して今回のリニューアルで新旧の融合を図ること提案した。
「木」を主なマテリアルとすることで、エントランス空間に求められる絶対条件である人々を迎え入れる空間としての暖かさを得ることができる。そして、「木」を用いた木質空間独自の人々を包み込むような大らかさが、老舗としての包容力の強さを感じさせ、会社が長い歴史で培ってきた様々な質を表現するものとなる。また、「木」の柔質な表情が既存の石を主なマテリアルとし硬質な表情だった空間との対比となり、より効果的に会社としての変化を表現することを試み、会社としての今後の新たな展開をこのエントランスで表現し示唆するものとなるのではないかと考えた。
「木」は経年変化するマテリアルである。今後、会社が積み重ねていく様々な歴史をこの木質空間が受け止め、会社と共に変化し、新たなイメージを作り上げていっていただければと思う。
Wood space where old and new is spun
This project is a renewal plan of the entrance in the company building where the wholesale trade of the cloth in Osaka at the heartland that concentrate the fiber wholesale store, the trading company, the brokerage firm, and the bank.The client demanded two contrary answers that a long-established history of it was for 60 years or more was succeeded, and project a new image by the recent new brand start-up. We hung out word “Modern retro (old)(new)”. Floor planning and part of marble existing wall that staff and traders become familiar was left. And we proposed to multiuse “Tree” and to attempt uniting old and new this time’s renewal.
Data